俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「マンションって箱みただろ?」
大輔はクスっと笑った。

「たまには、自然を見るのも必要だよ」
静かに言った塔子に、

「そうだな」
大輔も静かに答えた。

しばらく2人で外の夜の空気を感じた後、

「じゃあ、塔子。俺帰るわ。ゆっくり休めよ」
大輔は、ポンと塔子の頭を叩くと立ち上がった。

(こういう子供扱いは昔と変わらないな……)

「うん」

玄関で大輔は靴を履くと、
「おやすみ。塔子」
昔と同じように、同じ言葉で言った大輔に、

「だいちゃん、おやすみなさい」
同じように塔子は返した。

塔子はパタンと閉じた扉をしばらく見つめた。

そして、昔感じた寂しさより、更に寂しい自分に気づくと、塔子は大きなため息をついてその場に座り込んだ。

(友里、やっぱり会いたくなかったよ……。私)
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