俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
すれ違う気持ち
あの日から数日、大輔は忙しいのか、塔子が避けているのを気づいているのか、会社でも、プライベートでも何かを言ってくることはなかった。

少し会わない事に安堵していたところに、急いだ部長の声に慌てて思考を仕事に戻した。
「ああ、片桐君おはよう。急で申し訳ないんだが、軽井沢に行ってもらえないか?」

「軽井沢……ですか?」

「今、こないだのマクロス社の社長と、うちの社長と副社長が接待を兼ねて行っているんだが、そこで急遽、資料が必要になったそうだ。君が行った方が話が早いと思ってね」

「はい……」

「今日の仕事は全部振るから、仕事を割り振ったら、至急荷物まとめて出てくれ。明日は土曜で休日だが……。仕事が長引くなら休日出勤の許可だすから、一応一泊のつもりで行ってくれ。場所の詳細はメールしておくから」

(よりによって軽井沢……。1泊…。社長という事は千堂室長もいる?うんん、今はそんな事はどうでもいい!仕事だ!)

「わかりました」
塔子は踵をかえしてデスクへ戻ると、急いで指示をし、タクシーで家に帰ると、適当に必要な物を詰めると駅に向かった。

「軽井沢か……」

電車の中で一息ついて、呟いていた。

(いけない!仕事……)

塔子は慌ててパソコンを出すと、仕事を始めた。

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