婚約指環は手錠の代わり!?
最終章 婚約指環は手錠の代わり
目が覚めたら海瀬課長はいなかった。

……身体、痛い。

ずきずきひりひりする身体を起こすと、ガシャン。

……ガシャン?

「え?
なにこれ?」

左手首にはまる手錠、そこから延びた鎖はベッドに繋がれている。

「え?
なにこれ?
え?」

外そうとガシャガシャやってみるけど外れない。
それに、昨晩ネクタイで擦れて赤くなっている手首に食い込むと、悲鳴を上げそうなほど痛い。

「海瀬課長?
海瀬課長?
海瀬課長!」

声を張り上げて呼んだって返事はない。

だいたい、いま何時なんだろ?

隣の部屋に耳を澄ませてみたけれど、コトリとも音がしない。
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