婚約指環は手錠の代わり!?
第二章 目覚めたところは課長のマンション!?
今日は歓迎会、……なのだけど。
例のごとく、私の仕事は終わらない。

「主役だから仕事が終わらなくても行けるなんて思わないで」

武本さんから突き刺してくる言葉。

ええ、思ってないですし、みんな武本さんの顔色窺ってるので、課内での私の立場は微妙だから、むしろ仕事にかこつけて欠席したいですよ。

七時半開始だから、七時を越えるとどんどんみんな出て行く。
ちらちらと私に同情の視線を向けながら。
それなら手伝って欲しいと思うのは逆ギレだろうか?

「まだ終わらないのか?」

呆れ気味な声に顔をあげると、海瀬課長がうっすら笑ってた。

「先に行ってください。
終わったら行きますから」

「終わったらって、歓迎会が終わるまでにそれは終わるのか?」

「うっ」

確かに、あと二時間程度で終わるとは思えない。
いや、欠席したいんだからそれはそれでいいんだけど。

「半分よこせ」

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