東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
運命の人は指輪を持って現れる
翌日、私はナオといつものカフェにいた。

「やるだけのことはやったのに、肝心の本人の気持ちは聞いてないの!?」

信じられないと言うように叫んだナオに、
「何かいろいろと聞きそびれちゃって…」

私は呟くように返事をした。

「その後は雨が止んで服も乾いたから水族館の中に入っていろいろと見て回って…後は、晩ご飯を一緒に食べて家まで送ってもらった…って言う感じかな」

副社長とキスした後の結末を話した私に、
「その時に“一緒に思い出を~って言うのは、私とおつきあいをしたいと言う意味ですか?”って聞かなかったの?」

そう聞いてきたナオに、私は首を横に振って答えた。

「そんな恥ずかしいことを聞ける訳ないじゃない。

もしかしたら私の勝手な勘違いだったって言う可能性もあるし、光明さんから何か言われそうだし…」

「何かって何よ」

「…“うぬぼれるな”的な?」

そう言った私に、ナオはやれやれと息を吐いた。
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