そのくちづけ、その運命

好きな人

私たちは、長い間、じっくりとお互いの気持ちを確かめ合うように、唇を重ねていた。


それは、とても心地の良い時間だった。
途中から私はソファーに押し倒されて、身動きを取れずにいた。

感じるのは真人くんの唇の感触だけで、私はぎゅっと目をつむって身を任せた。


「………」

「実琴」

目を開けると目の前に真人の顔があった。

そのあまりの近さに、私は思わず目を泳がせる。

近いよ…!!
まだこのこの距離感にはまったく慣れない。

「実琴、オレから目そらさないで」

そう言って、有無を言わさぬように彼の両手が私の顔を左右から押さえる。

視界の中心に真人の顔。

「うぅ…」

思わずうめき声を出す私。


彼の微笑みが首元に降ってきたのがわかる。

彼は優しく髪を束ねるようにどかして、チュッと今度は首元に口づける。

ドキっと心臓が跳ね上がった。

うわ…

「実琴の髪って、これ天然?」

「違うよ…ただのクセ。毛先だけ…」

「かわいい」

今度は私の髪にキスする。

な、なにこれ。心臓がもたない……!


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