ねむりむし
タイトル未編集

ぼくんちには、“ねむりむし”がいるんだって。
ばあちゃんが話してくれた。
ぼくは、虫が好きじゃないんだ。
だけど、“ねむりむし”はこわくない。
やさしいやつだもん。

早く寝なさいってお母さんにおこられちゃうことがあるだろ?
そんなときは、早く布団に入って
大きなあくびをするんだ。
大きなあくびで“ねむりむし”は
ぼくの口からおなかの中に入ってくんだよ。

ぼくは、いつだって
いっぱい、いっぱい、あくびをするから
みんなよりも、たくさん“ねむりむし”が
身体の中に入ってると思うんだ。
10ぴきくらいかな。

“ねむりむし”がおなかの中で
何をするか知ってる?
“ねむりむし”は
明日することの計画立ててるんだよ。
“ねむりむし”が話し合いをして
明日はりょうたくんと
こおりおにをしようとか、
みんなで、サッカーをしようとかね。
“ねむりむし”が10ぴきくらいは
いたほうがいいだろ?
色んな遊びを考えてくれるからね。

だから、“ねむりむし”が
話し合いをしてくれるから
ぼくは、何も考えずに眠ればいいんだって。
眠らないと明日、こおりおにもサッカーも
力がわいてこなくなるもんね。

せっかく、
“ねむりむし”が計画を立ててくれたのに
ぼくは、起きたら忘れちゃうときもあるんだ。
忘れちゃうくらいぐっすり眠ったときは
どんな遊びでも、誰にも負けない力を
“ねむりむし”がたくわえてくれてるんだって。


ぼくには心配なことがあるんだ。
“ねむりむし”はおなかで
話し合いをしたあと、どうなるの?
ぼくのために話し合いをしてくれたのに
ぼく、食べちゃったの?

ばあちゃんはね、こう言ったんだ。
“ねむりむし”は食べられん。
プゥ~っと
おならと一緒に出るんだよ。

ぼくは安心した。
明日の計画を立ててもらうんだから
今日も早く寝るぞ。
大きなあくびを2回した。



< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

明日、あなたが目覚めなくても

総文字数/1

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop