溺愛CEOといきなり新婚生活!?
彼の過去、私の未来

 雅哉さんと別れて、一週間が経った。
 謝罪の連絡もなければ、仕事でATSを訪れた時にすれ違っても、目も合わせてもらえなかった。

 彼にとって、私はただの過去になったのかもしれない。
 二年分の思い出は散り散りになって、息を吹きかければどこまでも飛んでいきそうなほど軽いものだったのだろう。


 同僚は私の失恋を知って、合コンをセッティングしてくれた。正直言って気が進まないけれど、何もせずにいるよりもいいかと思う。
 永井さんの気持ちをないがしろにするつもりはない。失恋したばかりじゃ、そう簡単に舵を切れるものでもない。
 目の前にあるひとつひとつをクリアしていくしか、傷心から脱出する方法がないように思えていた。



< 140 / 378 >

この作品をシェア

pagetop