カノジョの彼の、冷めたキス



「これで全部、他言無用だな」

長いキスのあと、頬を火照らせて見上げるあたしの耳元に、渡瀬くんがそっとささやく。

やっとのことで小さく頷くと、渡瀬くんが離れる間際にあたしの額にひとつキスを落とした。

触れられた場所に、熱がこもる。

最後に触れた渡瀬くんの唇は、あたしの胸を焦がすほどに熱かった。


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