俺様ドクターに捕獲されました


そして、彼とのデートの当日。私は、ウキウキしながら仕事をこなしていた。


今日、仕事が終わったらそのまま出かけることになっている。行き先はナイショだと教えてもらえなかったが、旅行の準備をしておけと言われたから泊まりらしい。しかも、今日から二泊三日。


動きやすい服と靴を用意しておけと言われたけど、どこに行くつもりなんだろう。


それも含めて楽しみでたまらなくて、患者さんへのトリートメントも気合いが入ってしまう


「なんか浮かれてんね、天野さん。いいことでもあった?」


患者さんのリハビリの迎えにきた井坂さんに突っ込まれて、思わず頬を抑える。


「え、そんなに顔に出てます?」

「出てる、出てる。まあ、いいんじゃない? ここのところ元気がないって莉乃も心配してたし。天野さんは笑ってたほうがかわいいから」


この人、誰にでもこんなこと言ってるのかな。莉乃も大変だ。彼女に怒られないのかと聞くと、井坂さんは苦笑いしながら肩をすくめた。


「残念ながら、俺の莉乃ちゃんはそんなことじゃヤキモチ妬いてくれないの。で、なに。宇佐美先生とデート?」

「あ、はい。お付き合いしてから、初めてのデートなんです」


頬が緩むのを抑えきれず、ニンマリしながらそう言うと井坂さんは笑いながら私の肩を叩いた。

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