あずゆづ。
筋肉デス
「おい!! ノタクタしてっと置いてくぞメガネ女」
あの日から、数日が過ぎました。
「あっ、はいい!!」
ゆづくんに、大きな声でメガネ女と呼ばれて始まるという、相変わらずの昼休み。
……申し訳ないことに私は、未だにゆうちゃんに告白のお返事をすることができないままであった。
それだけではなく、なんと、まともにゆうちゃんと目すら合わせることができていないのです。
目が合いそうになったとき、すっと顔を逸らしてしまうんだ。
その度に、『あー、またやっちゃった……』って反省して、次からちゃんと普通にしなきゃって思うのに。
ゆうちゃんと、目が合わないように。
ゆうちゃんに、話しかけられないように。
とりあえずゆうちゃんから逃げるみたいに、私はゆづくんの傍をぴったりと離れなかった。
「い、和泉さん」
そんな、いつもの昼休み。
ゆづくんを追いかけようとしたとき。
私は一人の女の子に声をかけられた。
「はい?」
声のした方を振り返ると、そこに居たのは、まだ話したことのない女の子だった。
「和泉さん、最近よく優樹くんと一緒にいるよね」
「………え、あ…はい……?」
質問の意味がよくわからずに、とりあえず事実なので皇帝の返事をした瞬間。
その子の言葉に私が答えた途端、周りにいる女子たちがわらわらと集まってきては、あっという間に私を取り囲んでしまった。