王太子殿下は無垢な令嬢を甘く奪う
プロローグ
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 むかしむかし、小さな国のとある伯爵家に、それはそれは人形のように美しい少女がおりました。

 両親は少女のあまりの可愛さに、人売りにさらわれてはいけないと、屋敷の敷地より外の世界へは、少女を出そうとしませんでした。

 また、いらぬ知恵を持たせてしまっては、少女自ら外へ飛び出してしまうのではないかと、嫁入りに困らない最低限の教育を家庭教師に与えさせるだけでした。

 そんな暮らしの中でも、少女は両親の期待通り(不安通り?)に、日々愛らしさを増しながら育っていきました。
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