真夏のプール
第3章
「いっ、いったい……」
私達は二人揃ってプールに叩きつけられた。
さっきの水の掛け合いで、プールには少しだけ水が溜まっていて、もう全身びちょびちょ。
でも、幸い頭は痛くなくて、一安心。
……ん?
「あっぶねぇ…。間に合って良かったわ」
私が目をそっと開けると、真海の顔が目の前にあった。
つまり、私の頭が全然痛くないのは、真海がギリギリの所で頭に手を添えてくれたから。
だから頭の下になんか違和感があったんだ。
いやまて。
『違和感があったんだ』じゃない。
顔、近くない?!
片手で私の頭をカバーしつつ、もう片方の腕で自分の体重を支えて私の上にまたがる真海。
そして彼はそのまま黙り込んで私をじっと見つめてくる。
私はその目に捕まって逃げられなくなる。
え?
な、なにこれ。
何この状況。
何でどいてくれないの?
ちょっと…恥ずかしいんだけど。