いじめっ子には愛の鉄槌を
9. いじめっ子は正義の味方








次の日の昼過ぎ、あたしは家を出た。

淳太君は朝から外出のようだ。

女の家にでも行っているのか。

そう思うと胸がズキズキ痛む。

ついこの間までは、淳太君がどの女と寝ようが気にならなかったのに。

むしろ、女と遊んで帰って来なければいいだなんて思っていたのに。

なのに、今はどんな女といるのだろうとか、どんな風に女を抱くのだろうとか想像して、あたしの弱い心が悲鳴を上げていた。

あたしも淳太君みたいな、軽いノリで男性と遊べる人だったら良かったのにと心底思った。

だって……

キスでさえ無理だから。

キスでさえ頭がおかしくなりそうなほどドキドキして、発火してしまいそうなほど身体が熱くなる。

あたしはまた、不毛な恋に足を踏み出してしまったのかもしれない。


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