捨てられた町
カエル
ふと気が付くと周囲は山に囲まれていた。


どうやら僕は小高い丘の上にいるらしく、雲ひとつない真っ青な空が頭上に広がっていた。


山の麓へと視線を泳がせてみると、蟻のように小さな民家やアパートが立ち並んでいるのが見えた。


その風景に僕は1人首をかしげる。


ここは一体どこだろう?


自分が暮らしている見慣れた街とは違うということが、ここから見下ろしただけでも理解できた。


丘の上には緑色の草木が元気よく生えていて、それ以外にはなにもない。


どうやら僕は自分の足でここまで来たようなのだけれど、全く記憶になかった。


「どうしよう」
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