Rの宣告?
いつもの日常?
いつもと変わらない朝。
それは私もさっきまではそうだった。
あの謎の人物に告げられる前は…

「おはよー」
「おはーー」
学校につくなり、友達とたわいのない話をする。
昨日のTVの話だったり、自分の話だったり、
先生が来るまでずっと語っている。
来たからといって止めるわけではないんだけども。

「あー、きちゃった。」
「残念。真面目に受けなさい笑」
「春だってスマホ触ってんじゃんw」
「それとこれは別(๑>؂•̀๑)」
「同じだw」

「そこうるさい!!」
だから、毎回先生に注意される。
でも聞かないいけない子達なのです。
私と春は顔を見合わせてクスッと笑った。
また、注意されると怖いので1日限りだけ聞く子でもあるのです。
私はノートの最終ページを破った。
『春ー、この講義暇ー』
適当にメッセージを書いては隣にいる春に渡す。
『同じく。先生の自慢ばっかだもんね』
そして、返事を書いてくれる春。
『うん。そーいやさ、手に出来もんできた。』
『解剖したい!!((o(。>ω<。)o))』
『ダメー。怖いしw』
『大丈夫☺』
『いや、何が大丈夫かわかんないしw』
こんなたわいのないやり取りをしている。
まぁ、解剖したらいけない理由は怖いだけではないんだけどね…
でも、そんなこと春は知らない。
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり、講義が終了ー。
「春ー疲れたぁ」
「はいはい。」
「次、空きやよね?」
「そ〜だよ!」
「図書館?学食?どこいくー?」
「図書館で良くない?あ、弁当ある?」
「あー、うん。持ってきてるよー」
「じゃ、図書館で。後で秋も召喚しんとな。笑」
「うん。でも秋くるかなー?」
「どうだろうね、まぁ来なかったら来なかったでいいっしょ。」
「そうだねー」

図書館につくなり、春は熟睡。
私は自分の中にある問題を解決するために行動に出る。
というのも…
本当だったら私はここにはいない。
今日の朝、交通事故で死んでいる。
でも、そこであった謎の人物…その人物曰く、Rと言うらしい。
Rが生きたいか?と問う。
幸い、お前には手に出来物がある。これは死が近いことを意味するものでもあるが、死んだ後に生きたいと望めば条件付きで生きれる。
そんなことを言ってきた。
私は死んでも良かった。でも、やり残した問題はあった。その問題は死ぬ前にはどうしても解決したかった。
だから、その意思をRに伝えた。
そうか…お前は死んでも別に困らないが、問題だけは解決したいと…。
その言葉に頷く。
するとRはわかった。といい、
お前が感じてる問題がどのくらいあるのか分からないが、最後の問題を解決した時点でほんとに死ぬ。場所は解決した場所だ。
それでも良いか?それなら少しの期間だけ生かせよう。
私が頷くと同時に辺りは光に包まれた。
そして、気がつくと学校にいた。

私は高校卒業した後に友達に卒業旅行を裏切られた。
それでやけになって色々酷いことやLINEなどのブロックをしてしまった。
初めは裏切る方が悪い。と思ってたんだけど…高校の時の私は凄くわがままで自分勝手だった。だから一緒に行きたくない気持ちもわかる。なのに色々言ってしまったりしたことなど謝りたいとずっと心残りだったのだ。

私はLINEを開く。
4人謝りたい子がいた。
1人は先日謝って和解したけど…後、3人残っている。
気持ちがあっても…やはり勇気が出ず躊躇しちゃう…。
いや、こんなんじゃダメだ。
今年成人式もあるし、そこで普通に喋れるように…と思いまず、家が近い子からいつ会えるかLINEを送った。

返事が来るのは後だろう…そう思ってたら、秒で返ってきた。しかもちょー普通。
私がしたこと知らないのかな?と感じさせるのほどの。その日の帰りに会うことになった。春や秋たちと残れないのは残念だけど仕方ない。とりあえず、残りの2人は1人を解決してからにしようと思い、まだ寝ている春の横で私も寝た。

気がつくと、12時を過ぎていた。
「おはよー」
春は起きてたみたいだ。
「お昼だよ、ご飯食べな」
「あー、うん。」
「起きて!!」
「…眠い。」
今にも寝ちゃいそうな私を起こして、目の前に私の弁当を開いてくれる。
「…ありがとう。」
そういい食べようとしたんだけど脳はまだ寝てるらしく、箸が持てないというよりシャープペンを箸だと思い持ってたみたいだ。
春がオカズを口まで運んでくれた。
パクッ
「ったく、君は赤ちゃんか。」
そんな春の呆れ声も心地いいと感じるくらいに春の対応に私は甘えてた。
「もっと…ちょーだい」
私には珍しいのか…は定かではないが
春にとっては心配するほどらしい。
「大丈夫?夏ちゃんが甘えるなんて珍しい…」
「そう?だってえ…眠たい。」
「うん。起きて、まだご飯あるから」
「やった!」
そういって結局全部食べさせてもらった。
まぁ、寝ぼけてるのを利用して、好きな人に甘えるってやつ♪本当は結構恥ずかしい笑
春には絶対気持ちがバレてはいけないと思ってるから。
「えへへ、ありがとう。美味しかった」
「まさか、全部食べさせるハメになるとは思わなかったよ」
「えへへ、たまには良いじゃん♪」
「次はもうやんない。」
「えー、嬉しかったけどなぁ…」
「てか、夏ちゃん今日素直すぎる。」
「えー、通常だよ。」
「どこが?あ、もう、あと10分で講義始まるよ。片付けて行くよ」
「はーい。」

「ギリ間に合ったー」
「弁当に時間かかったもんね。」
「誰のせいだ。」
「テヘ☆」
「あ、秋今日待つ日になったよー」
「そうなん?でも私用事ある…」
「残念。因みに来週も、待つ日」
「来週は健在してる!やった久々に秋に会える♪」
「だねえ、あ、先生きた。」
私は春との会話を終了させ自分の手の出来物を眺めた。
Rに言われてたことを思い出す。
問題が解決しなくても3ヶ月たったら死ぬこと。出来物を潰したり取ろうとした時点で死ぬこと。自然に取れた場合も同様。
つまり春や秋といられるのも後少し…。
そう思うと死にたかったはずなのに泣けてきた。
自然と涙が出てたみたいで春から
『泣いてるみたいだけどなんかあった?
大丈夫?』
と紙が回ってきた。
私は目を擦り、
『思い出し泣き。大した事じゃないから大丈夫ー。』
と返した。
『そっか。なんかあったら言える範囲でいいから言いなよー』
と紙を渡すなり、私の頭をポンポンと叩く。
こういう対応がカッコイイから好きになる。
春が男だったら…なんて、いつも考える。
偏見が無くても私達は付き合えないと思う。
だって、親は反対してるし、それ無しにしても同性同士では子供つくれない。里親の手もあるけど…やはり我が子が欲しいよね。環境が変わったら付き合えたかもしれない。もちろん、それは偏見と反対が無かった前提で。
でも今は全てあるから無理。こんなに好きなのにね…。でも好きでいるだけならいいと開き直ってるから私は一生春のことを好きでいると思う。そして、それとは別に私は将来の為に好きな男性がいる。というよりは昔は本当に好きだったから今も好きなんだ。と思い込んでいる。そして、その人のことが好きと言うことを春には言ってある。
正直複雑な心境だ。でもハッピーエンドを描きたいならこれが正解な気がする。
でも、もうそんなことは関係なくなった。
Rの登場によって…
なんで死が近いとわかると生きたくなるんだろうなぁ…あんなにこの世界を嫌ってたのに。
考えてたらまた泣けてきた。
涙を隠すように私は机に突っ伏して寝たふりをした。
春に起こされ、気がつくと講義が終わってた。ほんとに寝ちゃったみたいだ。
「あ、また爆睡しちゃった…」
いつもなら、おい、真面目に受けろ!とか
睨むのに…今日は本当に心配してるみたいだ。何か感じ取っているのか?
バレてはいけない。死ぬことも気持ちもそれしか私は頭になかった。平静を装うのに必死だった。
「まぁ、たまにはそういう日もあるよ。」
私はいつもと違う春の行動に目を点とした。
「何?固まってるけど…」
私は我に返って大丈夫、大丈夫、と返事した。
「次も講義やよね?」
「そうだよ。引き続きこの教室。」
「かったりー。」
このいつも通りのセリフに春は少し安心したのか、
「次こそは寝るなよ?笑」
と春らしい返事をしてくれた。
「頑張る…けど寝ちゃいそう。」
「夏ちゃんが寝たら叩き起す(*`ω´*)ドヤッ」
「ドヤ顔する必要性….w」
「え、重要☆」
「意味不明だし、テンション大丈夫?」
「大丈夫ー。なんか気分いい。夏ちゃんこそ泣くなよ?」
「それ、掘り返さないでwある意味恥ずかしいから。」
「えー、じゃあ掘り返してあげる。
永遠に笑」
とSっぷりを見せてくる春。
めっちゃくちゃ笑ってる。
この空間が好き。だから壊したくない。
私も笑顔を向ける。
後少しだけなら…その少しをたくさん居よう。
私は春の肩にもたれた。
「重いんだけど」
この言葉が聞けるのも後何回かな、
そう考えながらいつも通りの返答をする。
春の肩は安心できる。ってね。
これは本当。なんか疲れた時とか不安になった時とか落ち着くんだよね…。
「ほら、いい加減離れて」
「えー、」
「口聞かないよ?」
これを言われると弱い。だって話せなくなるの死ぬほど嫌だから。
「ちぇっ…分かったよ…」
「よろしい」
今回は真面目にノートを取る。
というのもこの講義のテストガチムズらしく、講義のノートを取らないと絶対落とすという噂なのだ。
月に1度のノート提出がボーナス点になる。
ちゃんと書いてあれば15点は貰える。
適当だとそこからマイナスされる。
省略とかしてあっても同様かな。
だから、ノート提出さえしっかりできれば本テストで点数取れなくても単位は獲得できるわけ。因みにノート提出は5月と6月に1回ずつある。日にちはランダムだ。
でも、先生は書くスピードも早く、消すのも早い。だからみんなノートは2冊持っている。提出用ととりあえず写す用。
チャイムがなり、講義が終わった。
「あー、疲れた」
「それな、手めっちゃ痛い。」
「夏ちゃん、ちゃんと書いた?」
「頑張った」
そういいノートを見せた。
「お、偉い偉い。」
そういい頭をポンポン叩く春。
頭叩くの好きなーと思いつつも本心は嬉しいからされるがまま。
「春は今日残るんだよね?」
「そーだよ。秋待たないといけないし、」
「だねぇ…私は用事あるし帰るわ」
「うん、気をつけてねー」
「うん、バイバイ(ヾ(´・ω・`)また明日ー」

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