必然的な運命
いつも私の意思を尊重してくれた。

初めて頑なに反対されたのは高校生の時だった。

早く働いて父の負担を減らそうと就職を志願したが「真っ当な人生を歩んでほしい」と大学まで出してもらえた。

その言葉の意味を、当時の私は何の気も止めていなかった。

父と同じ系列の会社に就職が決まりあとはこれから親孝行をしていく予定だった。

まだまだ冷え込む寒さがある2月の夜。

卒業式まであと2週間足らずとなったある日。

父が卒業祝いをしてくると高級感が漂うレストランに連れて行ってくれた。

初めて味わう大人な雰囲気にかなり奮発してくれたんだと感じた。
< 3 / 264 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop