[実話]16歳〜私の生きた道〜
夜雨
雨が降る窓をジッと見つめて、ベッドの上で姉を待つ。
病院の中で健さんと連絡とるためには、外部と接触できる姉しかいなかったから。
1日2時間と決められた面会時間の中で、私は絵を描いて、それを姉の携帯電話で写メにとり、ケイさんに送ってもらった。
《きれいだね。》
それがうれしくって、いろんな絵を書いた。
昼も夜も。

ひどく雨が降った日に、ザアーザアーという音で目が覚めた。
病院はすごく静かで、雨の音だけがひどく響いた。
だけどなぜか心地よくて、いつまでも聞いていたかった。
雨のピチャンピチャンと落ちる音や時折はげしく降る音が、音楽のように身体に広がる。
だけど、いつの間にか眠ってしまっていた。
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