先生、もっと抱きしめて
星空の下、ふたりきり*先生目線*
教師失格。

人間失格。

相手は、教え子で、未成年なのに――。




俺の心は容易く掬いあげられ、狭い車内で彼女の身体が折れそうなほど抱きしめていた。


シャンプーの匂い。
紺色の制服。

湿り気のある、吸いつくような肌。
白いその手は、少し震えながら、俺のシャツを掴んでいる。

この子が、こういうことに慣れてはいないのは、わかる。
今、決死の覚悟で俺にキスをしたことも、わかる。

学生時代、そんなに遊んではこなかった俺でも、わかるんだ。


先日、俺が彼女の涙を拭いたのは、俺にだってそういう気持ちがあったのかと、今彼女を抱きしめながら、唇を噛みしめた。



……生徒に、こんな感情を持つなんて。


教師である資格は今、完全に失った。
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