先生、もっと抱きしめて
誰にも言えないふたり
「つきあう?誰にも言えない関係が続くけど……。卒業したら、ちゃんとするから」

と、先生の方から言ってくれた。

信じられない。
夢かもと思った。
もちろん秘密にするよ。


先生はダッシュボードに置いているメガネを取って、静かに掛ける。
メガネ、あるのもないのもかわいいよ。

どこか中性的なイメージのあったマツタクなのに、こんな激しくて肉食的なキスを交わしたから、全然そうは思わなくなった。

体だって、逞しい。
今もたまにテニスはしているそうで、お上品な趣味だなあと思った。


車から降りた帰り道は、ふわふわしてて、歩いてるのに飛んでる気分。
振り向いても、先生はまだそこにいて、軽く手を上げてくれて。

私が角を曲がるまで、見ていてくれた。

変質者に遭遇しないように送ってもらったはずが、先生とふたりで夜景と星空見てキスしちゃうなんて。

しかもかなりエッチなキスだった。
私のファーストキスは、先生のディープキス。

先生にもらってもらえて、よかったと思ってる。

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