「強がってんだよ…気づけバカっ。」
゚*✩‧₊˚夜の街には君がいて*✩‧₊˚

どうしよう‥



行く宛もないくせに、、
こんな時間に家を出てきてしまった。


今日はいつもより派手に殴られた。
明日は今日よりも、明後日は明日よりも

どんどん、エスカレートするのかな。


そんなこと考えてたら、どうしても
家にいることさえ、出来なくて、、


お母さんが寝た隙に外に出た。


夜ってこんな、暗いんだ…
夜風ってこんな冷たかったんだ…


誰もいない、深夜の町並みは
私にはすごく心地いい。


「あれっ?綾瀬さん??」

「えっ、、」

「あ、やっぱり綾瀬さんだ!!」



なんでっ、、
なんで楠木くんがいるのっ、、


とっさに街灯に照らされる自分の体を確認する。



うん。大丈夫、、
ちゃんと隠れてる。


「こんな時間になにしてんの?」

「あっ、ちょっと散歩、、です。」

「ふっ、なにそれ。
女の子が深夜に1人で散歩するの?」

「ー、はい。」


やばい、、絶対怪しまれてる。
変なやつだって思われたかな、、


きっと明日には「綾瀬は深夜に1人で散歩するよーな頭おかしい奴だ」って学校中で噂になるんだろーな。



「送ってくよ、危ないし。」


「えっ?、ありがとうございます。
けど、大丈夫です。
1人で帰りますから。」


送ってく?、、

ただ、隣の席なだけの女を?


ほんとに、楠木くんは優しい。

きっと、これも楠木くんにとっては、
当たり前の事なのかもしれない。


でも、私にとっては違う。


わざわざ、家まで送らせるなんて
ありえない。


「お願い。送るくらいさせてよ。」


「、、ほんとに大丈夫なので、、」


「俺が送りたいからって理由でもダメ?」



「ー、はい。」

「ふっ、綾瀬さんって頑固なんだね。」


「、すいません、、。」


「ううん、わかった!
じゃあ、連絡先だけ教えて欲しいな。
やっぱこんな夜遅くは心配だし、
ちゃんと家ついたらLINEしてくれる?」

「、えっ!」

「そしたら、俺も安心できるんだけど、
ダメ?」

「あ、いえ。ダメじゃないです。」

「はぁー、よかった!!ありがとう!」


ほんと、どこまで優しいんだろ。


私なんか。
ここまで心配してくれる人いるんだ、。

「はい!できた。じゃあまた明日ね。」

「あっ、はい。また。」

「気をつけて帰りなよ?」

「あ、ありがとうございます。」


あぁ、ほんと、優しくしないで欲しい。

こんなにも楠木くんに心が揺れてるのは
きっと、優しくされたのが初めてだから。

だよね、、


きっと。

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