そして、恋の種が花開く。
そして、恋の種が花開く

一ヶ月前、“同窓会のお知らせ”と書かれたハガキが実家から届いた。
私は大学入学と同時に一人暮らしを始めていた為、母親がそれを転送してくれた。

ハガキ自体はもう少し前に届いていたみたいだけど、他のダイレクトメールなどに紛れてそのまま放置されていた。

うちの母親はズボラで、私が実家にいた頃から届いたダイレクトメールなど溜めてしまう人だった。
気がつくと山のように積まれ、それが崩れ落ちてからようやく処分するような感じ。

今回もそのパターンだったみたいで、溜まったダイレクトメールをシュレッダーにかけようとした時、私宛のハガキに気付いて電話をかけてきた。

『さくら、ごめんねー。同窓会のハガキが届いてたけど出欠の締め切りはまだだからセーフでしょ』と。

届いた五日後が締め切りで危なかったけど。
受け取った往復ハガキには懐かしい高校の名前が書いてあった。
それを見て忘れていた記憶が呼び起こされた。
渡り廊下で泣きながらしゃがみ込む私の姿、そして……。

あれから七年、月日が経つのは早いなと感じる。
十代だった私も今は二十代半ば。
周りの友達は早々と結婚していき、羨ましいなと思うけど肝心の相手が私にはいない。
リア充という訳ではなく淡々とした毎日を過ごしている。

そんな私に舞い込んできた同窓会のハガキ。
最初は出欠を迷っていたけど、思うところがあり出席に丸を付けて返信した。
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