(完)嘘で溢れた恋に涙する
線香花火
「そこ、汚れとるやろ!
ほんっと何もできん子やねー」



唇をかみしめて、雑巾を放り出したくなる気持ちを抑えて、頷く。






今日は日曜日。



カラッと晴れたいい天気の今日、朝早くにおばさんに叩き起こされてから



朝ごはんの準備、洗濯、昼ごはんの準備、掃除。



次から次にお手伝いを言いつけられて、私は忙しなく働いていた。



お母さんは今日は1日中仕事なんだって。



お母さんが私のために頑張ってくれているんだから、私もできることはやらなきゃ。



その思いさえあれば、どんなに灼熱の太陽の下での作業でも、朝からほとんど食べ物を口にしてなくても耐えられた。



「ああもうほんと気持ち悪かあ。
一言も喋らんで、あんた生きとると?」



嫌味を漏らし続けるおばさんに必死で笑顔を向ける。



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