「全治二週間の捻挫というところですね」


展望台にいた観光客の手を借りて、ホテルの医務室にマリーさんを運んだ後、彼女を診察してくれたドクターがそう診断を下した。


「腫れが引くまでは痛むと思いますので、あまり動かさないように。二、三日もすれば、引くと思いますよ」


包帯を巻くドクターの手が触れるだけで痛むのか、マリーさんはずっと眉間に皺を寄せている。
彼女のボスのスティーブさんと優月が、診察台の上で足を投げ出して座っているマリーさんの横に立って見下ろしている。
ドクターの診断を聞いて、スティーブさんが眉を曇らせた。


「ごめんなさい。本当に、申し訳ありません……」


私は彼らの一歩後ろに離れて、これ以上無理というくらい小さく身体を縮込め、深く深く頭を下げた。
私の謝罪は彼らの背中に阻まれるように、マリーさんには届かずに小さく消え入った。
私が頭を上げる前に、スティーブさんが小さな溜め息を漏らすのが聞こえる。


「参ったな。私は日曜日に商談の予定がある。帰国便を遅らせることはできないが……マリーは無理そうか」


チッと小さな舌打ちをするのは、スティーブさんだ。