いつも側で君を感じるから。
初めての…





夏休みに入ったせいか、街はいつもよりも人が多い。

夕方だというのに、まったく涼しくならず湿った空気が肌にまとわりつく。

「え~、泉たちも来れねーの?」

隣にいた陽太くんが残念そうに私を見る。

「うん。泉は家の用事が入ったとかでさっき連絡きて…萌乃は体調が悪くて来れないみたいだし」

「マジか、光喜と智大もこれねーって言ってたしな~」

今日はみんなでカラオケに行く約束をしていたのに、待ち合わせ場所にいるのは私と陽太くんだけ。

新くんは来るって言ってたけど、まだ姿が見えない。


「あ、今日八雲さんも来るはずなんだけど」

「え!?八雲さん?」

「昨日誘ったら行くって言ってたんだよ。つーか、新もおっせぇなー」

陽太くんがキョロキョロと辺りを見渡す。

「りーちゃん」

その時急に後ろから名前を呼ばれたので驚いて体が飛び跳ねた。

振り返るとそこには八雲さんが立っていて。

私の反応が面白かったのか、爆笑している。

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