sweet voice
離れたものはくっつかない？
あの夜のことを、今でも後悔している。


どうして、伸二くんと寝ちゃったんだろう。


どうして、パーティーに行っちゃったんだろう。


私が毅然とした態度をとっていれば、こんなことにはならなかったのに。



パーティーの夜は、トイレに行くと言って逃げるように帰宅した。


伸二くんの気持ちは、私には重すぎた。


ニューヨークへ行くつもりはないこと、もう会わないことをメッセージで伝えた。


顔を合わせてしまったら、また流されてしまう気がしたから。


伸二くんからは、


『可能性が限りなくゼロに近いってわかってたから、最後にイジワルしただけ。


だけど僕は、本気で、花音を僕だけのものにしたかった。


荒井さんとお幸せに』


優しい嘘でいっぱいの返事がきた。


でも、荒井さんの元には、もう戻れない。



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