ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】
いわゆる、腕まくら。
確かに、こけたとき、あまり痛くなかった。
背後にオバケがいるときのリアクションのように、ゆっくりと、振り返る。
油がきれたロボットのように、首がなかなか回ろうとしない。
それでも、無理矢理回しきる。
目。
目だった。
丈斗くんをはこっちを見ていて、超至近距離で見つめ合う形となっていた。
「大丈夫? 痛くない?」
心臓の音がうるさくて、丈斗くんの声が聞きづらい。
「あ、はい。 うん」
「なら、よかった」
丈斗くんがほほえむ。
な、なんで、この人はこの至近距離で会話を続けられるんだろう?
間近で見る笑顔ヤバい。
このまま時間が止まればいいのに。
寝る前に、思い出してニヤニヤしてしまうのは確定だった。
あ。
なんとなく感覚で分かった。
今から、鼻血がでる。
いやだ。
もう少し、もう少しだけこの時間を。
神さま、もう少しだけ。
しかし、現実は無情だ。
だから、私は、ひっそり吸い込んだ。
ようは、出る前に吸ってしまえば、出ない。
まさか、こんな方法があるなんて。
そして、私は、この時間を数秒引き伸ばしに成功し、
「ごばらっ!!」
そして、私は、吸った鼻血でむせて、丈斗くんの目の前で盛大に吐血した。
私と丈斗くんの関係は、こんな血の雨から始まった。