ドキッ!? 気になる彼と禁断×××生活!【強制完結】




いわゆる、腕まくら。



確かに、こけたとき、あまり痛くなかった。


背後にオバケがいるときのリアクションのように、ゆっくりと、振り返る。


油がきれたロボットのように、首がなかなか回ろうとしない。


それでも、無理矢理回しきる。






目。





目だった。



丈斗くんをはこっちを見ていて、超至近距離で見つめ合う形となっていた。

「大丈夫? 痛くない?」


心臓の音がうるさくて、丈斗くんの声が聞きづらい。


「あ、はい。 うん」


「なら、よかった」


丈斗くんがほほえむ。



な、なんで、この人はこの至近距離で会話を続けられるんだろう?

間近で見る笑顔ヤバい。

このまま時間が止まればいいのに。

寝る前に、思い出してニヤニヤしてしまうのは確定だった。


あ。


なんとなく感覚で分かった。

今から、鼻血がでる。

いやだ。

もう少し、もう少しだけこの時間を。

神さま、もう少しだけ。



しかし、現実は無情だ。


だから、私は、ひっそり吸い込んだ。

ようは、出る前に吸ってしまえば、出ない。

まさか、こんな方法があるなんて。









そして、私は、この時間を数秒引き伸ばしに成功し、




「ごばらっ!!」

そして、私は、吸った鼻血でむせて、丈斗くんの目の前で盛大に吐血した。



私と丈斗くんの関係は、こんな血の雨から始まった。



< 22 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop