初夏の爽やかな風が吹く中、私は久しぶりにその駅に降り立った。

もちろん2階なんてものはない小さな駅舎。

駅舎を出ても高い建物はない。

車もあまり走ってないし、人もほとんど歩いていない。

タクシーさえ停まっていない。

ここは、本当に変わらない。




私、進藤彩音、25歳。

今年で26歳になる。

東京の大学を出てそのまま東京で就職。

この田舎の小さな町は、高校卒業まで住んでいた私の故郷だ。

東京では、外資系企業の日本支社で働いている私。

仕事も忙しいし、田舎に帰ってきてもやる事がないし、帰って来ても母の小言が待っているだけだから盆と正月くらいしか帰省しないのだけれど、今回は兄達にも煩く言われたので仕方なく有給を使って帰って来た。

現在、実家の敷地内には両親の住む母屋と、長男家族が住む家があるが、一昨年前に結婚した次男も敷地内に家を建てているらしい。

それで、次男の家が建った後に母屋をリフォームするので、私が実家に置いている荷物を整理しに来いと言うのだ。

まぁ、両親2人で住むには大きいし、段差が無い介護しやすい家にしたいのだろう。

兄嫁が2人も側に住んでくれるのだ。

ありがたいありがたい。

同じ敷地内に子供達が家を建てるなんて、東京ではまずない事だろうけど、ここでは普通の事だ。

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