海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「相葉先生ファンの子から見ると、さくって目立つんじゃない?ワープロだって凄く良く出来るし。たまたま先生と一緒にいる所を見て、印象に残ったんじゃないかな。」


もし瑞穂の言う通りだったとしても、そんなのは自分で防ぎようがない事のように思えた。


「どうしよう、これから…。」



相葉先生にも瑞穂や梢にも心配をかけたくない。

だけど先生には会いたい。

本当は毎日会って、

毎日話したい―…



そんな私の気持ちを察したのだろうか。


瑞穂が、

「とりあえず、少しだけパソコン教室に行く回数を減らしてみたら?今までが週3回位なら、週2回位にするとか!」



私は考え込んだ。


沢山、相葉先生に会いたい。


だけど何かを変えなければ、今までと何も変わらないであろう事は私にも分かっていた。


変わらないという事は、もしかしたら、また相葉先生に嫌な思いをさせるかもしれないってこと。


私自身、怯えて生活していくのはとても辛いこと。


そのどちらも私にとっては嫌な事で、だからこそ、そうするしかないと思ったのだった。



「そうだね…そうするしかないね。ありがとね、心配掛けてごめんね。」


私は諦めたように頷きながら瑞穂と梢に微笑むと、

二人は「ううん。」と首を横に振りながら、


「パソコン教室に行く時、必要だったら付き合うからね。」


そう言って、優しく励ましてくれた。


「ありがとう。」


私には心強い二人がいる。

きっと何があっても大丈夫だって、その時私は心から思えた。
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