難攻不落な彼に口説かれたら
4、酔い潰れる私
「ねえねえ、新しく来た片岡さんって、どんな人?」

私の二年先輩の美鈴さんが、嬉々とした目で聞いてくる。

美鈴さんこと田中美鈴は、専務秘書。

髪は茶髪のセミロング。普段赤いフレームのメガネをかけてて知的なイメージ。

同じ大学出身で、私のことを可愛がってくれている優しいお姉様だ。

今日は専務が秘書さん達にケーキを買ってきてくれたということで、三時のおやつの時間に私も秘書室にお呼ばれして美味しいケーキを頂いている。

「綺麗なお月様みたいな人ですかね?」

アールグレイの紅茶の入ったティーカップを手に取ると、そうコメントした。

今日は片岡君の膝枕事件から三日後の金曜日。

あれから、彼の顔を正視出来ずにいる。

私……よだれ垂らして寝てなかったよね?
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