彼の一言は私を次々と変える
花火大会へ



「花火大会?」


 夏休みを目前としたとき、友人から話を聞いた。
 地元の小さな花火大会ではなく、隣町の話だ。隣町の花火大会は地元よりもちょっとだけ規模が大きく、しかもお祭りと重なっているのである。


「去年は雨だったんだよねー確か」
「傘二人で使って、ね」
「菜々美が持ってたやつでね。今年はどーかなー」
「暑すぎるのも嫌だな」
「わがまま」
「わがままですよー」


 美咲が「でさ」ときりだす。


「天気予報によるけど、今年も浴衣にしよう!」
「浴衣に?」
「夏だからね。女子力向上のために!」
「私にそれ言うの」



 ――――というのが夏休みに入る前に美咲と話したことだった。


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