黄金のラドゥール
カコワレノトリ
それから数日が経っていた。

その間、私は一歩もこの部屋から出してもらえず、会う人といえばもっぱらアユールとガイン。たまにコウジュンで、滅多に見かけないのはユンハだった。

ガインが教えてくれたことには、部屋の外では天から来たラドゥールの話で持ちきりで、毎日一目見れないかと貴族や大臣らの訪問が後を絶たず、その対応にコウジュン皇子もガインも追われているのだという。この部屋の向こうは皇子の執務室になっているらしく、今もそれで複数の人が押しかけて来ているらしかった。

私が今外に出て行くといろいろと問題になると言って、私はこの大きなベッドのある部屋から出してもらえずにいる。

私のことは、少し体調を崩していて今は誰にも会える状態でないということにされているらしい。



アユールはいつもそばにいて色々と手伝ってくれていた。おかげでこの数日でもよく分かったことがあった。



ここはラダという王国で、
常に暑い。年中を通して暑いらしい。
だが、夜との気温差は激しい。

ここでは、女性が肌を出すことは少ないのだという。だが、陽射しが強いため肌を隠していても褐色に焼けている人が多いようだ。

なので、私のほぼ日焼けしていない肌は珍しいようだった。それに、私の着ていた服装も、ここではあり得ないらしかった。
でも踊り子の衣装などの場合は、それとはもっと別で、肌を隠す部分がむしろ少ないということだ。


「それでコウジュンは、肌を隠すために
私に布をかけようとしてくれてたのね。」

「それはそうですわ、
ハル様は皇子様のラドゥール様ですもの。

例え幼い頃から一緒で、気心の知れたユンハ様やガイン様にでも、ラドゥール様の肌を人目にさらさせたくなかったのですわ。」
アユールが当然だと言い切る。

突然の事だったとはいえ、コウジュンの腕に引き込まれ抱きしめられていたことが思い出されて頬が熱くなった。

「お、幼馴染?」
「ええ、小さい頃からご一緒だそうですわ。」
尚更、ユンハたちのコウジュンを守りたいと思う気持ちがわかる気がした。
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