シンデレラの魔法は解けない






そんなあたしに、



「藍ちゃん、ご飯食べた?」



平さんはいつも通りの口調で聞く。

あたしはこんなに緊張しているのに、平さんは平気なのか。

……そうだよね、あたしが一方的に平さんに恋しているだけで、平さんはあたしなんて好きでもない。

その事実に愕然とする。

林さんの言う通り、平さんと付き合えるだけで幸せなのだろう。

だけど平さんを手に入れたら、その心まで欲しくなってしまう。

あたしは、贅沢な生き物だ。


< 139 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop