臆病者で何が悪い!
5. 好きになってもいいの?



12月に入って、最初の土曜日。この日、同期の遠山の結婚式が行われる。

なかなか寝付けなかったのに、何故だかいつもの週末よりだいぶ早く目が覚めてしまった。
二次会からなんだから、こんなに早く目を覚ます必要なんてない。

目を開いたままただ天井を見上げる。布団から出る気分にはなれなかった。

ただぼおっと見上げた天井に、不意に生田の顔が浮かぶ。それは、いつも私に意地悪を言うと時の顔だ。意地悪を言った後、必ず優しい顔をする。

無表情冷静男のくせに……。

こんな私といても、きっと生田は楽しくない。もういい加減、愛想を尽かすかも――。

そう思ったら、心の奥がぎゅっと締め付けられるように痛んだ。私、愛想を尽かされたくないって思ってるのかな。どれだけ傲慢なんだろう。

自分自身に溜息をつき、ゆっくりと起き上がる。それと同時に、ベッド脇においたスマホが音を出した。それを手に取ると、希からのメールを受信していた。

(ごめん。今日の二次会行けなくなった。二次会の幹事の桐島君にも連絡しといた。沙都は楽しんで来てね)

え――?

どうして、行けないんだろう。思わずすぐにメールを送る。

(どうしたの? 何かあった?)

(ただの風邪。皆にうつしちゃっても申し訳ないし。症状は大したことないから、心配しないで)

風邪……。確かに、季節的にいろいろと流行ってはいるけれど。

(分かった。希も、お大事にね。ゆっくり休んで)

希は実家暮らしだから大丈夫だとは思うけど……。
先日の田崎さんの発言と言い、今日の希の風邪と言い、少し何かがひっかかった。


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