蜜月なカノジョ(番外編追加)

緊急事態発生



「ひゃあ~~~っ! ずぶ濡れになっちゃったよぉ~~!!」

バッタバッタと部屋に駆け込んだ私は見事な濡れネズミ状態。

「あう~~、最悪だぁ…」

これからサプライズが始まるというのに、幸先の悪さにガックリ肩を落とす。
帰りにスーパーに寄ってたっぷり食材を買い込んだはいいものの、歩き始めて数分後に突然ゲリラ豪雨に見舞われた。それはもう瞬く間の出来事。
当然ながら傘なんか持ち合わせていないし、そもそも両手が塞がっていてどうすることもできない。一瞬で全身ずぶ濡れになったせいでタクシーに乗ることもできず。

マンションまでの距離は徒歩10分にも満たない距離だったけど、1時間以上雨に晒されたんじゃないかっていうくらいに見事に濡れてしまった。
濡れても問題ない状態の食材ばかりを買っていたことが不幸中の幸い。

「あー…こりゃシャワー浴びなきゃダメだなぁ…」

まだ暖かさの残る季節とはいえ、ここまで濡れてしまってはさすがに風邪をひいてしまう。本当ならすぐにでも準備に取りかかって一分一秒を無駄にしたくないというのに。

「仕方ない。ちゃちゃっと入っちゃおう」

こうなったら迷っている時間すらもったいない。とりあえず生ものだけ冷蔵庫に入れると、残りのものはキッチンの隅に置いた状態でバスルームへと急いだ。

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