叶ってはいけない恋
驚き
「ねぇ、優也(ゆうや)
今日はいつまでいれるの?」
ここは私の部屋。
優也の膝の上で座りながら聴く。
「優愛(ゆあ)、今日はあと少ししかいれないよ。ごめんね。」
そう言って優しく頭を撫でてくれる。
 あっ、紹介遅れました!
雲母優愛(きららゆあ)です!
もうすぐで高校生になります。
「・・・残念。奥さんの所に戻らないでって言ったらもう少しいてくれる?」
優也とわたしの関係は不倫。
優也は27歳の社会の教師。
奥さんとは23歳の時に
戦略結婚させられたらしい。

「明日は優愛も入学式だし俺も仕事先変わったから用意しないといけないの。
だからさ帰らせて?」

「じゃあ明日会える?」

「多分無理そうだよ。」

「バカ!優也がいないと私は一人なんだよ。」

私には両親がいない。捨てられた代わりに豪勢なマンションと毎月莫大なお金をくれる。
私は気にいられなかったらしい。
親が欲しいのは女の子らしい女の子。
なんにもできないか弱い女の子。
私とは正反対。
「知ってるよ。でもね今日はどうしてもいてあげれないの。
それに俺が一番好きなのは優愛だから安心して?俺だって一緒にいられなくて寂しいよ。」

「分かった。バイバイ。」

また頭を撫でられる。
優也を送り出す。
また奥さんに負けたなぁ。




〜次の日〜

 いつもより早く起きて学校に行く用意をする。
 イメージを変えようと胸より少し長いくらいの髪をハーフにしてくくったのも何かの暗示だったのだろう。
 入学式が終わり、教室に行く。
「私、平岡柚子。よろしくね。」

「よろしく。私は雲母優愛。
どこの中学校なの?」

「東。優愛ちゃんは?」

「優愛で良いよ。私は城東。」

「すごく遠くない?」

「うん。だからこっちの方に引っ越してきたの。」

「そうなんだ。じゃあこっちの方わからない?」

「うん。」

「放課後案内してあげる。」

「本当?楽しみにしてる」

そう言い終わると同時にドアが空いて教師が入ってくる。
えっ、嘘!
「担任の辺銀(ぺんぎん)優也です。
1年間よろしく!」
優也と目が合い向こうも驚いたような顔をした。
優也も知らなかったんだぁ。
優也はそれから学校のことなどを話してる。
最後に
「1年だからって進路のことはまだ先の事だと思ってると痛い目にあう。今からがんばれよ。
 そして、1年間俺といい思い出を作っていこ。」
その最後の一言だけは私を見て言ってくれた。
好きだなぁ。
「辺銀先生!」

優也がそっと振り返る。
「雲母。ここの学校だったんだ。」

「うん。びっくりしたね。」

「ああ。でも前より近くにいられるな。」
「そうだね。少しは寂しくならないかも。」

「じゃあまたな。」

「うん。」
職員室に戻ると思ってたのに耳元に近づいて、
「月が綺麗ですね。」
そう言ってから去って行った。
今、昼間なのに何言ってるんだろ?
教室に戻ると柚子に話しかけられる。
「辺銀先生と知り合いなの?」

「うん」

「えー、いいなぁ。あんなカッコいい人と仲良いって。」
優也がかっこいいと言われるとついついにやけてしまう。
「あっー、にやけてる。
もしかして付き合ってるの?」

「ないない。ありえないよー」

「そ~だよね。付き合えるわけないよね」

先に自分で言った言葉なのにぐさっとくる。
今更優也と私の距離を感じる。
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