それはちょっと
Kiss4*見つめてもダメです
「甘い匂いがするね」

部長が言った。

「はい?」

何を言われたのかわからなくて、私は聞き返した。

「南くんから甘い匂いがするなって」

そう言って顔を近づけようとした部長の額をペチッとたたいた。

「イテテ…」

たたかれた額を手でさすっている部長に、
「部長が誕生日プレゼントにくれたバラの香りだと思います」

私は言い返した。

「まだ持っているんだ」

そう言った部長に、
「花は意外にも長持ちするんです。

家に帰ってドアを開けるたびに甘い匂いがして、正直に言うとうっとうしいです」

私はさらに言い返した。

「花屋さんも大変だったでしょうね、99本もバラを用意して」

そう言った私に部長はクスリと口元を微笑ませた。
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