天馬空を行く

暗闇に潜む影



プルルルルルルル プルルルルルルル


"………お掛けになった電話は

電波の届かない所にあるか

現在使われておりません。"




「あれ?おかしいな……。」



優美が朝の回診の準備をしていると、
ふと隣から春山先生の声がした。



「何がおかしいんですか?」



「あっいや、佐倉さんの里親の方に

検査結果を伝えようと思ってさっきから電話を掛けてはいるんだけど繋がらなくて」


「お仕事じゃないですか?」


「いや、使われてないって」


「えっ? それは困りましたね。」



「とりあえず、前に彼女が暮らしていた施設と児童相談所にも連絡入れてみるよ!」



「はい!分かりました。」



やはりもう1度掛けても電話に出ることはなかったので、

先に朝の回診を済ませることにした。



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