赤い夕空に夜の帳が下りる。その光景を見ては肩を落とした。


やがて、世界は闇に包まれ、私はひとりで布団に潜る。ムーディーな英詞の曲とグラスのかち合う音をBGMにつかの間の眠りにつくのだ。


深夜、私はよく目を覚ました。


一階のスナックから聞こえる物音と、グロテスクな女の声。鼓膜を汚す悍ましいそれは、布団の中でいくら耳を塞いでも小さな私を追い立てた。


こびりついた残響は、夜毎、私の安眠を奪ったのだ。


──────今日こそ夜が来ませんように


消えていくマジックアワーに何度願っただろう。


幼い日の私は、馬鹿な祈りを捧げていたのだ。