俺がずっと守るから
「じゃあこうしよう?校門まで走って、負けた方が決めるっ」
「は?」
「よーい、どん!」
いきなりの提案で李樹が顔をしかめた隙に、私は玄関を出て一直線に校門まで走り出した。
だって、こうでもしないと李樹ってば私に全部合わせるんだから。
私だって、李樹が行きたいところに行きたいもん。
玄関から校門までの距離はさほど長くない。
だから、私の方が先に校門に着きそう、って思った時だった。
「ちょ、待て…っ!彩葉!」
後ろから李樹の妙に慌てた声が聞こえて。
「…え?………きゃっ、!」
「彩葉っ!!」
校門に着いた瞬間、腕に強い力で引かれた気がした。
「…大人しくしてな。皆月のお嬢様」
「…っ、──────」
私の意識は、そこで急に途切れたんだ──────。