俺がずっと守るから




「じゃあこうしよう?校門まで走って、負けた方が決めるっ」

「は?」

「よーい、どん!」




いきなりの提案で李樹が顔をしかめた隙に、私は玄関を出て一直線に校門まで走り出した。




だって、こうでもしないと李樹ってば私に全部合わせるんだから。


私だって、李樹が行きたいところに行きたいもん。






玄関から校門までの距離はさほど長くない。




だから、私の方が先に校門に着きそう、って思った時だった。






「ちょ、待て…っ!彩葉!」



後ろから李樹の妙に慌てた声が聞こえて。





「…え?………きゃっ、!」

「彩葉っ!!」





校門に着いた瞬間、腕に強い力で引かれた気がした。






「…大人しくしてな。皆月のお嬢様」

「…っ、──────」






私の意識は、そこで急に途切れたんだ──────。






< 25 / 193 >

この作品をシェア

pagetop