最後の恋 【番外編: 礼央目線】
図書委員の彼女




図書室の窓からは遠くに鯉のぼりが泳いでいるのが見えた。



ここからは小さく見える鯉のぼりも、近くで見たらきっとかなりの大きさだろう。



子供の頃を思い出し心が和む。



さわやかに晴れ渡った空の五月晴れのあの日から



俺の中で彼女の存在は日に日に大きくなっていって、気付くといつも視線の中心に彼女が映るようになっていった。



それが恋だと分かるまで、それほど時間は必要なかった。



< 1 / 102 >

この作品をシェア

pagetop