無駄な紅葉は散り濡れる.
寂しさ宿る
いつのことだっただろうか.

俺の主である東宮が紅葉という
白拍子を捜せと言い出したのは。

東宮にとって、
紅葉という白拍子が
どんな存在なのか知らない。

ただ、探さないと
俺は咲子を迎えることは
出来ないと思っていた。

どんなに父親が
反対しても、
東宮に気に入られれば
咲子を迎えることできるのでは
そう思ったのだ。

京極 咲子。

俺の婚約者で
行方知らずの姫だ。

どこで何をしてるか
もうわからない。
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