職場恋愛
お話会が終わる頃には1時を回っていて、
香織のことは高木さんが車で送ると言っていた。


山野さんは島田さんと飲んで帰るらしく、2人仲良く肩を組みながら歩いていった。


私と航はタクシーに乗り込み、帰宅する。




これで、よかったんだろうか。

もちろん悪いのは香織とか、岩木さんとかなんだけど、事の発端は私が航に告白したからで。

それがなければきっと付き合うこともなかっただろうし、真の罪人は私なんじゃないかと思う。



「結?何考えてる?」


「…よかったのかなって」


航は人のことをよく見ているな、と感心する。


「それだけ?」


「……どうかな。なんか、色々心配が尽きないなーって」


タクシーの車内、私の手を包むように握ってくれて落ち着く。




「結、好きだよ」


慈しむようにキスを落とされてとろけそうになる。

私も好きだよ。

でもね、私のこの想いは、誰かを苦しめるんだって知ったよ。
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