職場恋愛
電話口の中は電話でも分かる程ビクビクしている様子。
ビビるならちゃんとしろってんだよ。



「で?」


自分の口で言わせようと威圧気味に言った。


『あの…すみません。発注をかけたつもりは全くなかったんです。
発注とか在庫系の仕事もやらせてもらいたいと思って、FAXで発注するものと、パソコンから発注するものを覚えようと勝手に触りました。多分それが発注されてしまったんだと思います。本当にすみません』


真面目なんだかなんなんだか。


「それりんに報告した?」


『いえ、さっきまで自分が発注してしまったなんて想像もしてなかったので、報告できていません』


「おい、ブス、なんで知ってんだよ」


「そりゃー、発注用のパソコンいじってんの見たからよ。おかしいなーって思ったけど、頼まれたのかも〜って何も言わなかったの」


はー、どいつもこいつも。


「中、どんだけ発注したんだ」


『充電器とあまり売れないタイプのスマホケースを1000個ずつ…です…』


だめだこいつ。発注なんて永遠にできねーわな。


「その在庫、どうすんの」


『ど、ど、ど…どうしたら良いのでしょうか?』
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