極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
4.誰にでもしないこと
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「卓球台あるんですね。これがあると温泉っぽい!」

 あっという間に温泉旅行の日がやってきた。
 レンタカーで移動し、樹里が予約してくれた温泉宿に着いた途端、蘭々ちゃんが卓球台を見つけて声を弾ませる。
 ここにたどり着くまでにも、あちこち散策したりしたけれど、一番はしゃいでいたのは蘭々ちゃんだった。

「楽しそうだね」

 卓球台のそばまで足早に行ってしまった蘭々ちゃんを見送りながらつぶやく。

「楽しむために来てるんだから」

 涼我の意見に、それもそうだと納得した。
 私はストレス解消と癒しが目的だけれど、みんなが楽しく笑顔になれる旅行にしたい。

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