Black sweet Darling!《完》
もっと頼れよ
ーーーーー


「いらっしゃいませ、ご注文はどうなさいますか?」

「コーヒーを一つ。」

「かしこまりました。」


翌日、午前の勤務を終えたあたしはまた公園に来ていた。


「いい雰囲気ですね。外でコーヒーも侮れないなぁ。」

「ありがとうございます。」


昨日の閑散とした雰囲気から一転、今日は順調にお客様が来てくれている。

悔しいけど、昨日柳瀬さんに連れて行ってもらったカフェバーや、彼の話にインスパイアされて工夫した結果がこれだ。



昨日は園内の中心にワゴンん広げていたけど、
今日は園内に流れる小川の横に移動。

樹木が死角になって、おまけに日陰で涼しい。

そして家から持参したスピーカーを使い、ボサノバ調のBGMを流す。


「お待たせしました、アメリカンでございます。」


お客様にコーヒーを渡し、すぐに後ろを向いて作業をする。

距離感が大事なのだ。

これも昨日のお店で気付いた事。


チャラい傲慢社長だと思っていたけど、柳瀬さんのセンスは圧倒的だった。

昨日ネットで調べたら、商業施設やああ言った小さな店も、全て彼のプロデュースの元に出来上がっていたのだ。
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