あなたのことは絶対に好きになれない!
「同窓会?」

小首を傾げながら、オウスケくんが私にそう尋ねる。


今日はノー残業デーということで同時刻に退社した私たちは、会社から少し離れたピザ店で一緒に食事をしていた。

夕食どきで賑やかな店内のカウンター席に隣り合って座りながら会話する。


「うん、小学校一年生の頃のクラスの子たちで集まるの。といってもクラス全員が来る訳じゃなくて、数人集まるだけだけどね。懐かしいなぁ」

当時のことを思い返しながら、オウスケくんにそう説明する。


「まあ、私は途中で転校しちゃったから、正直全員のことは覚えてないんだけどね。当時一番仲良かった女の子が今回の幹事をやるってことで、私のことも誘ってくれたんだ」

その幹事の子ーー亜水(あみ)ちゃんは、昔オウスケくんにいじめられて泣いてばかりだった私をいつも励ましてくれた子だ。

転校してからも文通を続け、お互いに携帯電話を持ち始めてからはずっとメールのやり取りを続けていた。

転校してからも何回か会っていたけど、一番最後に会ったのは多分二年前。しばらくずっと会えていなかったから、早く会いたいな。


そんなことを考えていると、横から突然オウスケくんの手が私の頭の上に伸びてきた。
ポンと置かれたかと思うと、何故かそのまま撫でられる。


「何?」

「……その同窓会って、男も来る?」

「え? そりゃあ、何人かは来ると思うけど……」
< 99 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop