極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~

食事



「待たせてすまない。急な来客があって」


告白をしてから1週間後の夕方。
今日は元々予定されていた月一の訪問日。

息を切らして応接室に入って来た紬を見て、胸が騒がしくなる。

でも紬はいたって普通。
特になにが変わるでもなく、定位置に座り、microSDを渡してきた。

だから私も普段通りを装い、作業を開始する…けど、時折、感じる視線が気になってパソコンの画面越しに様子を伺うと目が合った。


「えっと…なにか?」
「あ、いや、すまない。見られていると気が散るよな」


そう言って手元の書類に視線を落とした紬だったけど、こちらを見そうな気配がしたのでしらばく見ていたら案の定、またこっちを見てきた。


「なにしてるんですか」


予想通りの行動に思わず笑ってしまう。


「私の顔、なにか付いてますか?」
「いや、いつも通り綺麗だよ」


サラリと褒められてドキッとする。

でもここは職場だ。
分からないように深呼吸して気持ちを落ち着かせ、パソコンに目を戻す。

すると紬はそんな私の態度に触れてきた。


「きみはいつも通りだな」
「社長こそいつも通りじゃないですか」


こっちを気にして見てくる以外は特に変わりない。
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