ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。

『彼のヒミツに触れたとき――』

謙信くんと仲直りして一ヵ月。

避けられていた二日間に比べたら全然マシ。……けれど今の状況は状況で、ちょっと困っている。

「あの……謙信くん？」

「ん？　どうした？」

どうした？　なんて聞いてくる彼は、並んでソファに座りテレビを見ている私にぴったりと寄り添っている。

「えっと……ちょっとテレビに集中できないんだけど」

楽しいバラエティ番組も笑えそうにない。

少しだけ距離を取りながら言うものの、すぐにまた謙信くんはピタリと私に寄り添った。

「そうか？　俺は全然集中できるけど」

そう言って肩に腕を回し、私の身体を引き寄せる彼に私はタジタジ。

けれどもちろん嫌悪感などなく、彼に抱き寄せられるがままになる。

おかしい……。最近の謙信くんはどこか激しくおかしい。

これまでにも何度か過剰なスキンシップはされてきた。それに、キスもされたし。

でもあの日、毎日キスしてもいい？って聞いてきたけれど、一度もされていない。いや、むしろされない方がいいんだけど!!