【完】『龍の倅(せがれ)』
◆2◆

ところで。

当の秀宗は入城すると、まず仙台から連れてきた五十人以上の家来の中から山家清兵衛を呼び出し、

「そちは何か、政を進めてゆく上で、父上から聞いておろう」

といきなり本題を切り出した。

なぜなら。

もともと家来の中で筆頭は桑折左衛門で、次に秀宗の遠縁筋に当たる小簗川十蔵があたるはずである。

それが。

途中から政宗の推挙で桜田玄蕃と山家清兵衛が加えられ、しかも山家清兵衛は筆頭として加えられていたのである。



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